プレートテクトニクスとは

地球の表面は板である(これは本当にそう) / 2022-07-07T00:00:00.000Z

地球の表面は当然ながらカチコチです。しかしながらそのカチコチの地面というのは複数の「プレート」に分けられ、それぞれが動いています。なぜ動いているのか、プレートとはどのようなものなのかなどについて見ていきましょう。

なぜ動く?

前回の記事で「リソスフェア」についてざっくりと説明させていただきました。ここで軽く繰り返すと、リソスフェアとはゴム板のように地球表面に存在するものといったものです。

私がここで「ゴム板」と表現したのには理由があり、日常生活からしたらほんのわずかに弾性がある弾性体としてみなせるからです。しかしこの弾性は本当にわずかであるため、これを剛体としてみなすことができます。

リソスフェアは「どれくらいカチコチか」で分類したうちの、かなりカチコチの部分です。裏を返せばその下にある部分はもうちょっとタプタプなものとなります。このタプタプな部分をアセノスフェアと言います。そしてこのアセノスフェアに分けられる領域はマントルの比較的下の方、といってもマントルのかなり多くの部分がアセノスフェアなのですが、このマントルは主に熱によってグルグルと対流しています。

味噌汁の上に浮かぶわかめのように、対流しているものの上にある固いものというのは、対流に合わせて動きます。さらに重要な点としてはこの上にある固いもの、すなわちリソスフェア==プレートは地球全体で一枚というわけではなく、何枚かに分かれてます。対流しているということは当然上がってくるところもあれば下がっていくところもあり、大まかにはこれに合わせてプレートも運動しています。

このような理由でプレートは運動を続けているのです。

日本周辺のプレート

意外に知られていませんが、日本は地球上にあるため、当然ながらプレートの上に乗っかっています。そして日本はプレート大国です。

日本周辺の大まかなプレート配置

上記の図は、日本周辺のプレートを大まかに示したものです。もちろん陸上のプレート境界を明確に示すことは難しいので、本当に大まかなものです。見てわかる通り、日本の周辺には以下の4つのプレートがあります。

  • ユーラシアプレート
  • 北アメリカプレート
  • 太平洋プレート
  • フィリピン海プレート

です。このうち上の二つは「大陸プレート」、下の二つは「海洋プレート」に分類され、海洋プレートは大陸プレートの下に沈み込みます。

沈み込み帯

「沈み込む」という考え方はあまり馴染みのないものかもしれません。しかしこの沈み込むというものは、今後の地震や火山などを理解する上で非常に重要な考えとなるので、それなりに丁寧に説明していきます。

沈み込みのざっくりとした図

上に沈み込みのざっくりとした図を掲載しました。海洋プレートというものは画像の右から左に向かって運動しています。するとある時大陸プレートとぶつかると、大陸プレートを巻き込んで海洋プレートが地下へと沈んでいきます。

これが起こると何が変化するのかについて考えていきましょう。

初めに地形が変化するということが考えられるかと思います。当たり前といえば当たり前かもしれませんが、ちょうどぶつかるところは溝のような地形となります。これを「海溝」、深さがそこまでないものを「トラフ」といいます。また大陸プレートの方にも無数の割れ目 - 断層が生成される他、これらの溝に対して陸からの砕屑物が積もっていき、沈み込むとき逆に大陸サイドに追加される「付加体」も作り出されます。

大陸プレートの端っこは「巻き込まれる」ことから、基本的に海洋プレートについていく形となりますが、当然ながら限界がありたまに元の場所へと戻ろうとします。これが「海溝型地震」と呼ばれるものです。

他にも、沈み込む際に海水がセットとなって地下へと沈んでいきます。これはマグマの発生について重要な条件の一つとなります。マグマというのは基本的に液体なのですが、水があることによって本来岩石が融ける温度・圧力条件よりも低い条件で融けてしまいます。このため本来は固体ばっかりの場所でも液体が生成されてしまい、火山活動の活発化に繋がっています。

追記: なぜ沈み込み帯でプレートが沈み込むかについて説明を書きました。「なぜプレートは沈み込むのか」をご覧ください。

関連リンク

最後に

以上駆け足でしたが、日本の形成にもかかわるプレートテクトニクスの考え方についてざっくりと書かせていただきました。次回はこのプレートテクトニクスの考え方の前段階である「大陸移動説」を唱えた、ウェゲナーおじさんについてざっくりと説明していきたいと思います。

Writer

Osumi Akari

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