前々回の記事ではアイソスタシーについて説明したのですが、「補償面までの重さは、上に何載っていても基本同じ」としました。
しかしながらこれが成立しない場所がこの地球に何か所か存在します。それについて軽く見ていきましょう。
結論
- アイソスタシーが成り立たない代表的な場所は、
- 成り立たせようと隆起/沈降が続いている場所(それはそう)
- プレートが生まれたり消えていったりする場所
- 成立しないという話で話題になるのは大体プレート
成立させようと隆起している場所
アイソスタシーの計算について扱った前回の記事においては、氷床が融けることによって何メートル隆起が起こるかという問題を扱いました。冷静に考えてみると、アイソスタシーを成立させるために隆起が行われるということですから、当然アイソスタシーを満たすために隆起/沈降が行われている場所では、アイソスタシーは成立しません。
つまり、氷床が融けて隆起することでお馴染みのハドソン湾やスカンジナビア半島においては、アイソスタシーが成立していないことになります。
海嶺や海溝
上記のものは当たり前すぎるので、一般に問題にされやすいプレートが生まれたり消えていったりする場所について考えたいと思います。プレートテクトニクスについて説明した記事や、海洋底拡大説について触れた記事において、プレートは「海嶺」で生まれ「海溝」で沈んでいくという話をしました。つまり海嶺や海溝周辺ではアイソスタシーが成立しないということです。
成立しないという理由としては、アイソスタシーの成り立つ場所ではマントルの上下流を想定していないということがあります。プレートが生まれまた消える場所はマントルの上下流が存在する最たる場所です。そのため、上下流のせいでアイソスタシーが成立しなくなってしまっています。
具体的な場所としては大西洋中央海嶺やマリアナ海溝が取り上げられることが多いです。