マグマは地上に上がってきます。
しかしマグマが形成される様々な理由は説明したけれども、マグマが上昇する理由については明確に説明していなかったので説明しようかと思います。簡単な内容なので多分1分あれば読めます。
結論
- 周囲に比べて比重が低い
- 上がれなくなるまで上がっていく
比重が軽くなる
固体の氷は液体の水の上に浮きます。しかしながらこれは水の分子構造に由来するものであって、大半の物質では液体の方が固体の上に来ます。これは比重が液体になることによって低くなることによるものです。そして周りに対して比重が軽くなってしまった塊は、比重のより大きいものを押しのけて上へと行こうとします。
この前提はあまり違和感のないものであると思います。ところでマグマは液体であり、橄欖岩から作られるという話をさせていただいたこともあります。つまりマグマが作られる環境では、周りが固体であり、その固体が液体となった塊がマグマであるといえます。そういったわけで、マグマというものは上がり始めます。
上がれなくなるまで
とはいえ、マグマが勝手に上がって来るのには限界があります。というのもマグマの比重もそれなりに大きく、上がっていくにつれて圧力が小さくなってしまうこともあり、大体地下10kmのところで止まってしまいます。マグマは連続的に形成されているので、この止まってしまうあたりにマグマが滞留し、「マグマだまり」が形成されます。次回ではこのマグマだまりについて、そしてマグマが地上にやってくるまでのプロセスについて説明していこうかと思います。
関連リンク
- 小屋口剛博「マグマの上昇」東京大学地震研究所数理系研究部門小屋口研究室。
- 「沈み込み帯の構造とマグマ生成・上昇」東北大学大学院理学研究科地震・噴火予知研究観測センター。