「噴火」と一口に言っても、それに至るメカニズムや被害の様子には大きな差があります。そのためここで一回そのタイプを整理しておこうかと思います。
結論
- 水蒸気噴火・マグマ水蒸気噴火・マグマ噴火がメイン
- マグマのネトネト度によって噴火のスタイルが詳しく分けられる。
水蒸気・マグマ水蒸気・マグマ
人生で「噴火」について触れたとき初めに触れるであろう、噴火の仕組みによる分類です。
どの噴火もマグマが地表に近づいたことによって引き起こされるのですが、水蒸気噴火とマグマ噴火では結構異なる点があります。マグマ水蒸気噴火というものは後ほど説明する水蒸気噴火とマグマ噴火を併せ持った特徴がありますので、それぞれについて説明した後に解説しようかなと思います。
水蒸気噴火
詳細なことは次回の記事において扱おうかと思いますが、噴火の仕組みの一つ目として「水蒸気噴火」というものがあります。どんな仕組みなのかを考えてみましょう。
ざっくり言えば上の図のような噴火をします。私の神がかり的な画力の影響で理解できない人が多数だと思うので、数字付きリストでも説明させていただきます。
- マグマが上昇してきて、帯水層(地下水がいっぱいあるところ)へ熱が伝わる(必ずしも直接マグマと接するわけではない)
- 地下水が液体から気体になり、地表を吹っ飛ばす
ここで注意するべきはマグマそのものが地表に出ていないということです。この点が最も分かりやすい下で述べるマグマ噴火との違いとなります。
マグマ水蒸気噴火
「マグマ水蒸気噴火」は、マグマと地下水が直接接することによって発生する噴火です。仕組みそのものは水蒸気噴火と非常に似通っているのですが、マグマが帯水層に届いているという点が異なります。
そのため地上には水蒸気噴火で発生する噴出物に加え、マグマ由来のものがある程度紛れ込みます。
マグマ噴火
詳細な仕組みはこれもまた次々回の記事で扱おうと思いますが、代表的な噴火の仕組みのもう一つのものである「マグマ噴火」というものがあります。どんな仕組みなのかをざっくり考えてみましょう。
まあ名前の通りなのですが、マグマがそのまま地上に出てくるような噴火です。先程説明した水蒸気噴火はマグマが出てきませんでしたが、こちらは出てきます。下で詳しく説明しますが「ハワイ式噴火」から「プリニー式噴火」までという風に、マグマ噴火は細かく分類されます。
Style of Eruption
一番最後の「マグマ噴火」というものは多数の種類に分けることが出来ます。火山ガチ勢の方々に刺されないかものすごく心配なのですが分類してみました。
種類 | マグマの粘度 | マグマの種類 | 形状 | 主な噴出物 | 被害 | 代表的な山 |
---|---|---|---|---|---|---|
ハワイ式噴火 | シャバシャバ | 玄武岩質 | 楯状火山 | 溶岩 | 火災・溶岩流 | キラウェア |
ストロンボリ式噴火 | ちょっとネットリ | 玄武岩質~安山岩質 | 成層火山 | 溶岩・火山弾 | 火山砕屑物の降下 | ストロンボリ山 |
ブルカノ式噴火 | まあまあネットリ | 安山岩質 | 成層火山 | 噴石 | 火山砕屑物の降下 | ブルカノ山・浅間山・桜島 |
プレー式噴火 | まあまあカッチリ | 安山岩質~流紋岩質 | 溶岩ドーム | 火山灰 | 火山灰の降下・火砕流 | プレー山・セントヘレンズ山 |
プリニー式噴火 | カッチリ | 流紋岩質 | 溶岩ドーム | 溶岩 | 火砕流 | 有珠山・フンガトンガ |
かなりざっくりとした分類表ですが、こんな感じになります。結晶分化作用で本源マグマから分離した様々なマグマと、噴火の形式が大きく結びついていることを認識していただければ十分でしょう。また、噴火の形式によって山の形や被害などが大きく異なっていることに注意してみるといいかもしれません。詳しい話は次々回の記事で扱おうと思います。
関連リンク
- 山賀進「火山(1)」