前回はペレーの毛と呼ばれるレアな火山噴出物について説明させていただきましたが、今回はそっくりな名前であり形成される場所も似ている「ペレーの涙」についてざっくりと説明していきたいかと思います。
結論
- マグマが急速冷却
- やっぱりハワイ
涙は固まる
前回の「ペレーの毛」と生成されうる条件が似通っているので詳しいことは前回の記事を参照していただきたいのですが、こちらの記事でもざっくりと説明させていただきたいと思います。
溶岩が飛び散るということを考えたとき、液体であるアッチッチの溶岩が急速に空気中に飛び出すとどうなるでしょうか。当然ながら空気に冷やされるのですが、この冷やされる時にあまりにも急速に冷やされる時があります。その際に繊維状に発達するのが前回の「ペレーの毛」なのですが、このような場合に飛び散った時の形をある程度保って形成されるものが「ペレーの涙」と呼ばれます。
ちなみに日本語でも「火山涙(かざんるい)」という立派な名前がついていますが、私にとっては女神様の名前がついていた方がかっこいいので、「ペレーの涙」という名前を使っています。ちなみにペレーの毛のことも日本語で「火山毛」といったりします。そのままですね。
前回とほぼ同じことを言っている気がしますが、ペレー(Pele)というのはハワイの女神様ということで、ハワイでよく見られますしハワイのものが有名です。とはいえ日本でまったく見られないというわけではなく、五島列島の福江島にある鬼岳という火山などで見られるとのことです。
オランダの涙
これは完全に余談なのですが、「涙」と呼ばれるものの1つに融けたガラスを水の中へと落とすことによって形成される「オランダの涙(Prince Rupert's Drop)」というものがあります。
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急速に冷える点ではペレーの涙と同じなのですが、空中が多いペレーの涙と水中で作られるオランダの涙では圧縮応力のかかり方が異なります。オランダの涙の特徴的な点としては当然ながらその美しさもありますが、やはり末端をペンチなどで切断したときの挙動でしょう。
上記の動画ではYouTube向けなテンションをしている外国人の方々がオランダの涙を作成してそれに対して色々なことをされています。サムネイルにある通り、ペンチで末端を切断したときには粉々になってしまいます。これは応力が集中してしまっているところの構造を一気に崩したことによるもので、オランダの涙に特徴的に見られるものです。
最後に
次回のざっくりわかる火山シリーズ: 火口から風に乗る火山灰
文字数を嵩上げするためだけに呼ばれたオランダの涙君、ごめんなさい…