コンピューター上で数式を扱う場合、多くの方はLaTeXを使用すると思います。ただ意外なことにLaTeX形式で数式を表現できる場所はそこまで多くありません。LaTeX形式を表示できるようにするためには拡張機能の導入であったり、煩雑な表記を行ったりする必要があるためです。
しかしながらUnicodeには数学的記号についての文字割り当てがあり、Unicodeを扱える環境でかつ適切なフォントがインストールされているのであれば、面倒なLaTeX形式表示のための何かを行わずともある程度の数式を表現することが可能です。ただこれもそういった文字を入力するといった手間がかかります。ところが今回ご紹介する「Text to Math Converter」を使えば簡単にそういった形での数式表現が可能となります。詳しく見ていきましょう。
結論
- 「a_m - a_n」を「𝑎ₘ - 𝑎ₙ」に
- アクセスするだけで使える
- 簡単な数式に対応
Text to Math Converter
Text to Math Converterはアクセスするだけで使用できるテキストを数式っぽくするツールです。言葉で説明するのが難しいのでアクセスした上で例として紹介されているものを実行して見るといいかもしれません。このページでもいくつか出してみた結果を置いておこうと思います。
入力テキスト | 出力テキスト |
---|---|
a^2 + b^2 = c^2 | 𝑎² + 𝑏² = 𝑐² |
x = 10^{3} \pm 3\ast10^{1} | 𝑥 = 10³ ± 3∗10¹ |
1 = 1 \Leftrightarrow x = x | 1 = 1 ⇔ 𝑥 = 𝑥 |
\cos^2\theta + \sin^2\theta = 1 | cos²θ + sin²θ = 1 |
cos^2\theta + sin^2\theta = 1 | 𝑐𝑜𝑠²θ + 𝑠𝑖𝑛²θ = 1 |
\zeta(2) = \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^2} = \frac{\pi^2}{6} | ζ(2) = \𝑠𝑢𝑚ₙ₌₁∞ \𝑓𝑟𝑎𝑐{1}{𝑛²} = \𝑓𝑟𝑎𝑐{π²}{6} |
TeX記法を用いて三角関数やθといった文字を簡単に出力させることが可能です。例示させていただいた通り記法に沿わない形で入力してしまうと想像とは違うものが出てくる可能性が高いのでその点はご注意ください。上付き文字は「^{}」の{}の内部に入れたい文字を、下付き文字は「_{}」の{}の内部に入れたい文字をそれぞれ入力することによって変換させることが出来ます。
簡単な式の変換を目的としているので、表の最下段に出させていただいたようなものでは上手く変換がなされません。また分数はそもそもUnicode上で想定されていません。このように複雑な式が書きたい場合はこの「Text to Math Converter」の作者が公開されている「DraftEditor」を使用することも出来ます。
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上に掲載した動画からバージョンアップされており現況は異なりますが、大まかな雰囲気はつかめるとは思います。今回紹介させていただいている物とは異なり、TeX形式の数式をどんどん入力していくタイプのエディタです。どちらもそれぞれ良い点があるので、行いたいことに合わせて選択するとよいと思います。
最後に
シンプルな構造をしてはいるものの、ありそうで無かったものだと感じました。作者の結城さんに感謝の念で胸がいっぱいです。