パソコンからWikipediaを触っていると、よく記事の下部に箱で囲まれたリンク集を目にすると思います。私の身近な例で言えば「Template:地球科学」画素の例です。こうしたものはナビゲーションテンプレートと呼ばれており、多数の関連する記事同士を結ぶ役目があります。代表的なものには「Navbox」というものがあり、このテンプレートを活用する形で関連する記事を便利にリンクさせることが可能となっています。
しかしスマホからWikipediaを触っている方からすると「そんなものは無いが?」という感想を持つからです。これはスマホ版のWikipediaにはそのようなものを表示されないようになっているからです。
結論
- モバイル版では意図的に表示していない
- 情報量が多い+代替機能がある
MediaWikiとスキン
Wikipediaは(元々は)これのために作られたWikiソフトウェアであるMediaWikiで動作しています。このソフトウェアの根源的な機能としてはMediaWiki記法で書かれたテキストを適切にHTMLへと変換することが挙げられます。またそれを適切に装飾しユーザーに適した形で表示するといった機能もありますが、これはMediaWiki本体というよりも「スキン」として実装されています。このような書き方をしていることから分かる通り、スキンは色々なものがあり、様々なものに変更することが出来ます。
Wikipediaも当初はMonobookというスキンを使用していましたが、2010年からはVectorというスキンが使われています。これは現在も改良が続けられており、折りたたみ機能実装などを含めた2022年版Vectorが使用されています。
ところがこのスキンは基本的にデスクトップからのアクセスに対するもので、スマートフォン向けにはMinerva Neueが使用されています。このスキンはMobileFrontend拡張機能と合わせてモバイルでのユーザー体験がより良いものとなるように設計されており、Vectorスキンには存在しないいくつかの機能を提供すると同時にいくつかの機能が削除されています。
この一つとしてこの記事の主題であるNavBoxなどのナビゲーションテンプレートの(デフォルトでの)非表示があります。ナビゲーションテンプレートは主にtable
を活用して実装しており、幅が限られた環境においては却ってその目的を果たすことが難しくなってしまうこと、そのような物が画面の大半を占めてしまうことが非表示の理由として考えられます。
関連リンク
- 「Manual:インターフェイス/IDとclass属性」MediaWiki。
- 「モバイル・ゲートウェイ/モバイル用ホームページ整形」MediaWiki。
- 「Wikipedia:ナビゲーションテンプレート」日本語版ウィキペディア。
- 「Template:Navbox」日本語版ウィキペディア。
最後に
私がウィキペディアで活動していることは知っている知り合いから純粋な疑問として聞かれた際に作成したメモをいい感じに修正しました。決して適当な記事をネットの海へと後悔しているわけではありません。