先日私は「インプレス†Web3†本その2を2500円かけて購入してしまったので、頑張って読み進めます…」とツイートしました。つまり「Web3.0の教科書」という書籍を購入してしまったということです。
「WWWの発明者が「Web3はWebじゃない」と発言」や「Braveの「BAT」を受け取れるようにした」といった記事を書いている私のWeb3界隈に対する態度は…まあ推し量っていただいてほしいのですが、可能な限り中立的な気持ちを頑張って持ちながら読んでいこうかなと思います。
結論
- 帯と序文でなんか矛盾してない???
- 信頼性の高いインプレスのWeb3本
序章
取り敢えず本の内容は先頭から読むと良いとされているので、序章から読んでみることにしました。読んでみて一番引っかかった文章としては以下のものでしょうか。
Web3.0のよくある言説として「Web3.0はWeb2.0の進化版」や「Web3.0はWebの新技術」といったものがありますが、これらは誤解です。(中略)Web3.0はある意味、「未来のインターネットってこうあるべき」という思想に近いものなのです。「3.0」とナンバリングされていると、上位互換であるような印象を与えますが、Web2.0とWeb3.0のインターネットは共存するものです。
言っていることについては、立場の違いを除けば大まかには正しいのですが、この文章が書いてある書籍の帯にはデカデカと「Web2.0から進化したWebの全貌を正しく理解する一冊」と書いてあるんですよね。14ページで言っていることが矛盾してしまっています。帯は著者というよりも出版社サイドが作成することが多いため著者を責めるのもまた違う気がします。しかしながら、出版社サイドが作成したとしたらきちんとしたチェックがなされているのか怪しくなってしまいます。また著者サイドが作成したとしたらすぐにバレる嘘をついているということになってしまい、どちらにしろ大変不安になってしまいます。
「一番引っかかった文章」が存在するということはそれ以外に引っ掛かったという文章があるということなので、それぞれ見ていこうかと思います。
Web3.0という概念
序章の最初のページである10ページにおいてはWeb3.0の歴史の概略が述べてあるのですが、そこでは2006年にティム・バーナーズ=リーさんが初めて提唱したとあります。ここにおけるWeb 3.0は「セマンティック・ウェブ」という、Webページに意味を自然言語だけではなくXMLなどを用いて追加(機械可読性の追加)すればより快適なWebが作れるのではないかという、ティムさんによる理論のことです。
当然ながらそこにはブロックチェーンであったりDAOであったりする概念は微塵も存在しません。一応「『Web2.0の次』というニュアンスで登場しました」と書いてはありますが、昨今話題になっているWeb3関連の提唱者はティムさんであるという、著しい誤解を生んでしまう文章であるなと感じました。
レイヤー構造
序章の最後の方ではWeb3.0におけるレイヤー構造について語られているのですが、レイヤーは下にあるものから発達するとしています。これは決して間違っているとはいえませんが、現代の一般的なインターネットで用いられているDARPAモデルを鑑みると、うーんと思ってしまう点もありました。
関連リンク
- 「Web3.0の教科書」インプレスブックス。
- のぶめい「のぶめい本【Web3.0の教科書】が1/11日に発売されます」2022年12月21日。
- のぶめい「Web3.0の教科書」インプレス、2023年1月11日、国立国会図書館書誌ID: 032566582、ISBN: 978-4-295-01429-4。
最後に
前回の技術関係の記事: ビャンの字を「2048」メソッドで組み上げる「2048iáng」
PC WatchやINTERNET Watch、窓の杜などのサイトの運営で知られているインプレスのWeb3本を2500円出して買ってしまいました。インプレスそのものに対する信頼は揺らいでいないのですが、ここにWeb3が組み合わさってしまうと「いちばんやさしいWeb3の教本」事件となってしまうことがretroactive
を鑑みれば明らかとなってしまっています。上記の通り不安しかないのですが頑張って読み進めてみようかと思います。多分肯定的な摂取にはならなさそう。