1923年9月1日、相模湾付近で発生した大正関東地震は関東地方を中心に甚大な被害をもたらしました。それから100年経った2023年9月1日となりました。というわけで今回はこれについての(ゴミみたいな)感想と関東大震災にまつわる資料について簡単に書いていこうかと思います。
結論
- もう100年
- 色々な資料がまとめられている
100年
Twitter上に百年前新聞(@100nen_)というアカウントが存在していますが、これのアカウントの投稿をたまに眺めると100年というのは大した年月ではないということが実感できるかと思います。オスマン帝国はつい最近まで存在しましたし、ソ連がやっと出来たくらいの年代感です。まあこのサイトのメインコンテンツであるざっくりわかる地球科学シリーズで扱っている事柄の大半は100年なんて誤差といった(場合によっては誤差の範疇にも入るか?という)レベルですので、私の時間感覚がかなり悠久としまっている…という可能性は否定できませんが。
9月1日が防災の日として定められている通り、関東大震災はこの100年間における災害のある種ランドマーク(というとかなり語弊がありますが)となってきました。NAGASAKIを最後にしたいというようにこのような大災害は関東大震災を最後にすることは出来ませんが、人々に強く記憶されるような大きな地震・大きな被害が発生しないといいな~と思っています。そのためには過去を振り返り、それらの被害を軽減するために自分が出来ることは無いかを確認してみることがいいのではないかと考えています。
さて100年に合わせて各省庁等では特設ページ等が設置されています。情報が各ページに若干分散してしまっている点は感じられますが、一応可能な範囲でどのようなコンテンツが存在するのかについて簡単に書かせていただいたので、情報をそれらのページから得る際の参考にしていただければと思います。
内閣府: 「関東大震災100年」特設ページ
内閣府の「関東大震災100年」特設ページにおいては、関東大震災がどのようなものであったのかを報告書をベースとして紹介されています。
気象庁: 「関東大震災から100年」特設サイト
気象庁の「関東大震災から100年」特設サイトにおいては関東大震災の概要や記録をかなり詳細な資料を基に分かりやすく解説されているものが見られる他、今後発生しうる地震・津波に対する対策及び気象庁がどのように地震津波に関する業務を行ってきたかについての解説が掲載されています。また関連リンクに記載されております横浜地方気象台のページや東京管区気象台の子供向けページも理解の助けになるかと思います。
国立映画アーカイブ: 関東大震災映像デジタルアーカイブ
国立国会図書館法の第24条第1項の六においては映画フィルムは納本制度の一部として収集対象になっていますが、国立国会図書館法による出版物の納入に関する規程第7条によって当分の間これは猶予されています。しかしながら映画フィルムの収集が一切行われていなかったわけではなく、国立近代美術館によって収集が行われていました。これを発展的に改組したものが国立映画アーカイブで、様々な映像が保管されています。
このような国立映画アーカイブが国立情報学研究所の支援を受けつつ作成した関東大震災映像デジタルアーカイブにおいては関東大震災当時の映像を無料で閲覧することが出来ます。派手な演出こそありませんが、記録された「生」の被害を今でも感じ取ることが出来ます。
国土地理院: 関東大震災特設ページ
国土地理院の関東大震災特設ページにおいては国土地理院が保有している古地図を用いて、地図上に表現された関東大震災の被害を学ぶことが出来ます。関東地方測量部のページにおかれましてはこれらの資料についての解説もあり、普段とは異なる視点で災害の記録を見ることが出来るかと思います。
最後に
天災がきわめてまれにしか起こらないで、ちょうど人間が前車の顛覆を忘れたころにそろそろ後車を引き出すようになるからであろう
これは寺田寅彦さんによる「天災と国防」という随筆の一部です。これが由来となったかは明らかではありませんが寺田寅彦さんのものとされる言葉として「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉があります。
しかしながら災害というものは概して忘れてようがそうでなかろうが発生してしまうものです。災害が発生した時にその被害を可能な限り軽減するためにも、こういった機会にも過去を振り返っておき続けたいなと、この9月1日を迎えて改めて思いました。