共通テストとなって3回目の試験が2024年1月13日・14日に行われました。というわけで2024年基礎無し地学を勝手に解説していきたいと思います。さすがに全ての内容を一日の記事にしてしまうと長くなってしまうので大問ごとに分割してみました。この記事は大問5について扱っています。それでは、見ていきましょう。
注意
- この解説に付き、大学入試センターやその実施大学と一切関係はありません。
- 著作権関係の問題が発生する可能性がありますので、試験問題そのものの転載はしておりません。そのため大学入試センターや新聞社のWebサイトなどから問題を入手されることをおすすめします。
- この記事における内容の正確性は一切保証しておりません。
問1 - 地球から外惑星を見る
地球は太陽系の第三惑星です。そこからより太陽に遠い惑星を見るためには夜に行う必要があります。地球から惑星を見ると、空に散らばる恒星に比べて十分に近いため動いて見えます。また近ければ近いほどより多く動きます。
木星は火星に比べて遠くに存在しているため、地球から見ればより小さな動きになります。また惑星Aも惑星Bも同じ方向に動いています。これらのことから正解は4となります。
問2 - 観測だけから分かること
これは面白い問題です。選択肢はいずれも正しい事実を指し示していますが、観測結果から分かる選択肢を1つだけ選ぶ必要があります。すなわち残りの3つは観測結果から言えないことを示しているということになりますので、それぞれの事実が観測結果から導き出せるのかを考えればよいということになります。
正解を言えば3番です。どちらの惑星も高度が大きくは変化していません。ここから公転面が地球と類似していることが分かるからです。その他の選択肢は自信を持って導き出すことは出来ません。
問3 - 火星と木星
問2と違って完璧な知識問題です。初めにどちらの惑星も岩石を含んでいますが、木星の方が明らかに少ないです。木星は水素を主とするガスによっていわば「太って」います。以上のことから正答は5番です。
問4 - 主系列星の辿る道
HR図は縦軸に絶対等級を、横軸にスペクトル型(左に行くほど温度が高いことを意味し、見た目は青色に近くなる)を取った図です。恒星はそのサイズと時に従ってこの図上を動いていきます。この図の位置がどのようなものを示すかはウィキペディア上のこの図が分かりやすいでしょう。
恒星Pはスペクトル型から温度が高いことが分かり、かなり明るい恒星であることが分かります。このような星は散開星団によく見られるもので、やがてはスペクトルが赤側によるものの明るく輝く超新星となります。このことから正解は2となります。
問5 - HR図にプロット
絶対等級は全ての恒星を10パーセクの位置に置いた際の等級を表しています。1パーセクは年周視差が1秒角となる距離のことを指しており、10パーセクにある場合には10秒角となります。問題の惑星は 都合の大変良いことに ちょうど10秒角の年周視差を持っていますため、純粋にプロットを行えばよいことを表しています。
橙色であることは太陽からそう遠くはないスペクトル型であることを示しています。そのため選択肢はBかDとなります。BとDで絶対等級の条件に合うのはBですので正解は2となります。
関連リンク
最後に
問題を単なる知識問題にせず面白くしようとする意図を強く感じるものでした。しかしながら面白げは中途半端であったので、今後はこの方向性がより発展すると良いと思います。