オンラインストレージサービスには様々なものが存在します。例えばGoogle DriveやDropbox、MEGAなどが代表的です。個人的に使ったことのある(マイナーな)サービスですと、IcedriveやKoofrなどが存在しています。普段はGoogle DriveとMEGA、そしてOneDriveを使用しているのですが、この度「Internxt」というサービスを見つけたので、取り敢えず使っていこうかと思います。
結論
- メアドとパスワードだけでアカウントが作成できる
- WebDAVにも対応している
- 初期容量はたったの2GB
Internxt
PrivacyToolsというサイトがこのインターネットには存在します。このサイトは名前の通りプライバシーに配慮された製品を紹介するサイト(…という割にはImpact.comの所有する「 ojrq.net 」というドメインを経由させたがったりアフィリエイトリンクがそれなりに存在する)で、世の中にはどのようなプライバシーに配慮している製品が存在するのかを簡単に知るために使うことが可能です。このサイトを眺めていましたら「Internxt」というサービスが少なくとも3ページで紹介されており、MEGAやProtonDriveよりも強くプッシュされている印象を受けました。そのためどのようなサービスであるかを調べてみることにしました。
公式サイトを開いてみると、Internxtはプライバシーを守るオープンソースかつ暗号化されたドライブ・写真保存・ファイル送信サービスであるとされています。リンクが分かりづらいところにあるGitHub Organizationを眺めるときちんとAGPLv3でライセンスされていることが分かります。いい話ですね。
公式サイトの「Get Started」もしくは「Get up to 10GB」ボタンからアカウントを作成することが出来ます。アカウントを作成するのにはメールアドレスとパスワードのみが必要です。電話番号認証が無いのは嬉しいですね。一応登録されたメールアドレス宛に確認メールは飛んできますが、確認しなくともある程度の機能は使えてしまいます。であるからと言って確認メールを放置するのは良くないので、確認メール内にある「Verify email」ボタンは押しておきましょう。
ファイル共有機能
単なるファイルストレージとして活用するのもいいですが、こうしたクラウドストレージの良い点として他者とファイルを共有することが出来るという点が挙げられます。登録すると取り敢えず何かファイルをアップロードして欲しいという強い圧を感じたことから、試しにOAaaKで公開されているこの画像をアップロードしてみることにしました。
アップロード自体はGoogle DriveやMEGAについて若干もたついている程度で、そこまで不快には感じませんでした。アップロードされた画像には自動でサムネイルが作成され、概要を簡単につかむことが出来ます。ただそのセッションで初めて表示した画像については「Loading Preview」が5秒から10秒前後表示されるため、複数の画像を見比べて使うといった用途にはあまり向かないのではないかと思いました。
共有する方法としてはInternxtアカウントを入力する方法とリンクを生成する方法の2つが存在します。後者はdrive.internxt.com/sh/file/
から始まるリンクが生成され、リンクを踏むとファイルがダウンロード出来る画面が表示されます。ただJPEG画像でもプレビュー画像が存在しなかったため、ダウンロードするまでその画像がどのようなものかは分かりません。また表示される情報はファイル名とサイズのみで、誰がアップロードしたものかすら表示されませんでした。これはメリットであるとは思いますが、きちんとした用途には使いづらいものであると思います。
他にもMEGAでは有料プランのみに存在しているパスワード付き共有機能が無料プランにも存在するのはありがたいと感じました。しかしながら一旦共有したリンクを切る方法が恐らく存在しておらず、確実に他人に対して共有しても良いコンテンツでしか使えないのではないかと感じました。
ちなみにInternxtでは「Internxt Send」という どう見てもUIがWeTransferな ファイル転送サービスを提供しています。日本で言うところのギガファイル便のようなものです。Internxt(Drive)の共有機能を使用する際はInternxt Sendと比較しても良いかもしれません。
cliとWebDAV
あまりはっきりとは書かれていませんが、InternxtはWebDAVにも対応しています。「Does Internxt support WebDAV?」によれば「Yes, Internxt supports WebDAV. Find out more about its features and how it works here.」と書かれており、WinSCPなどのWebDAVクライアントにメールアドレスとパスワードを入力すればサクッと使えそうな見た目をしています。ところが現実はそうではなく、cliをインストールする必要があるとのことです。
これをnpm経由でインストールするとローカルにWebDAV鯖が立てられるようになり、そのWebDAV鯖となるcliそのものが改めてInternxtのサーバーと通信するという形になっているようです。かなり面倒なので私は行いませんでしたが、WebDAVとして使うことは不可能ではないらしいです。この記事をお読みの方のどなたかに試していただければと思います。
Up to 10GB
Internxtの各所に「Up to 10GB」と書いてあります。そのため10GBを無料で使えるかと思ってしまうかもしれません。しかしながら以下のスクリーンショットをよく見ていただくとそうではないということが分かるかと思います。
どうやら アカウントを作成しただけでは2GB しか使えないようです。リストに挙げられている通り、
- 招待リンク経由での登録で1GB(最大5回)
- モバイルアプリをインストールした上でファイルをアップロードすると1GB
- リンクを用いてファイルを共有すると1GB
- デスクトップアプリをインストールした上でファイルをアップロードすると1GB
使用可能な容量が増えるということが分かります。これらと初期容量を合計すると10GBになることから、各所に「Up to 10GB」の表記があると考えられます。
MEGAなどでも最大20GBと書いておきながら期限付きであって常に使えるのは10GB前後(それでも十分だと思いますが)であることがあります。しかしながら5分の1であるのにはかなり騙されてしまったような気持ちになってしまいます。
最後に
次回の技術関係の記事: TeamsのGitHub通知をWorkflowに置き換えたかった
個人的には光るところはあるものの、MEGAのように常用するにはまだ足りないかな…という感じのサービスです。まだまだサービスの構築途中といった感じですので、今後に期待していきたいと思います。