春になると様々なものの旬がやってきますが、その一つに玉ねぎがあります。玉ねぎというのは層状の曲面が複数積み重なったような形をしているといえます。
前回の記事で触れた岩石の風化の中にも様々なものがありますが、その中に玉ねぎのような見た目を持つ風化、その名も「玉ねぎ状風化」というものがあるので、ざっくりと紹介していこうかなと思います。
結論
- 基本的に熱による風化
- 「球状風化」ともいう
玉ねぎ
では玉ねぎ状風化とはどのようなものなのでしょうか。まずは画像を見てみましょう。
Image copyright: Ailith Stewart and licensed for reuse under CC BY-SA 2.0 from geograph.
まさに玉ねぎのように、真ん中にはコアとなる石が、そしてその周りには層状に剥がれた物があります。これが玉ねぎ状風化です。
この風化はどのようにして起こるのでしょうか。化学的風化も全く関係していないわけではないのですが、基本的には熱による膨張・収縮の繰り返しで発生します。玉ねぎ状風化は基本的に均質な岩石で発生するのですが、そういった岩石が日光を受けると一部が(わずかだとしても)膨張することによって岩石内でのつながりが弱くなり、日が沈んだ後にはつながりがわずかに弱くなったままサイズが元に戻るといったことが繰り返されます。この繰り返しが繰り返されることによって、玉ねぎ状風化が形成されます。
参考文献
- 平田康人「柱状節理の発達した火成岩の組織・構造とそれに規制された球状風化メカニズム(博士論文)」京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻、2018年3月26日、hdl: 2433/232258、DOI: 10.14989/doctor.k20923。
関連リンク
- 「球状風化」産総研地質調査総合センター、絵で見る地球科学。
最後に
次回のざっくりわかる堆積システムシリーズ: 花崗岩がサラサラになる「マサ」
個人的に好きなので単独記事にしたのですが、単独記事としてのボリューム不足が否めない感じになってしまいました。悲しい。風化について詳しいことが知りたい方は前回の記事をご覧ください。