海底にも地形はあるという

海底は意外と変化に富んでいるという話 / 2023-02-13T00:00:00.000Z

前回の記事「ファンデルタの分類」においては、様々な種類のある「ファンデルタ」についてざっくりとその分類について紹介させていただきました。そこにおいては海中における侵食や堆積についての言及がありますが、「河川の三作用」と呼ばれている作用が海中で働いていることに違和感を覚えた方がいらっしゃるかもしれません。というわけで今回の記事では海底で働いているこれらの作用とそれによって出来た地形についてざっくりと説明していこうかと思います。

結論

  1. そこに流れがある限り、三作用は休まない
  2. 地上とはひと味違う部分がいっぱい

海中の三作用

侵食運搬堆積の3つの作用を合わせて「河川の三作用」と呼ばれることがあります。実際に河川で働いていますし、河川による地形の形成に大きく関わっている作用ですから、その命名は極めて自然なものであると言えるでしょう。ところがこれらの作用は必ずしも河川のみで働く作用ではありません

河川の三作用とされているものはなぜ存在するかを考えてみると、「何か流れているものがあり、それによって土砂等が何らかの変化を受ける」といったものです。以前氷食風食について触れたことをご存じである方は察していただけると思いますが、海の中にも流れがあります。これによって三作用が働いているため海中にも豊かな地形が形成されています。その一例としてロサンゼルス付近の海中にある地形を見てみましょう。

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この動画はUSGSが製作したLos Angeles Margin Fly-by Movieというものをアップコンバートしたものです。動画の名前の通りロサンゼルスの3D海底地形図を舐めまわすように見てみると、所々谷のように見えるところもあったり海中で新たに堆積したように見える場所もあります。

これらの地形というものを考える時に河川による地形の形成プロセスを鑑みることで容易に理解することは出来ます。といってもそれだけによって完璧に理解できるようなものではありません。だからといって海底地形が面白いと思える方が多いとは思えませんが、次回はそのような地形の1つである海底谷について見ていこうかと思います。

関連リンク

最後に

前回のざっくりわかる堆積システムシリーズ: ファンデルタの分類

ざっくりわかる堆積システムシリーズはのんびり書いているのですが、1月27日から2週間も更新できなかったのはちょっと辛いところを感じます。ざっくりわかる地球科学シリーズの中にあるそれぞれのシリーズの中でめちゃくちゃ記事数が多いことから分かっていただけるとは思いますが、私は堆積周りのプロセスが大好きなので、出来れば「ざっくりわかる地球科学シリーズ3:その他の記事2」くらいの比率で出していきたいくらいの気持ちはあります。

ところが色々なタスクが積み重なったりWeb3本に苦しめられたりしたので、ストックが完全に掃けてしまった上に完全なる遅延公開となってしまっています。基本的にざっくりわかる地球科学シリーズは執筆のためだけにそれなりのリソースを割いている(「最低」を目指していることから)ため、どうしてもざっくりわかる地球科学シリーズが後回しになってしまいました。今後は多少タスクが軽くなる見込みはあるので、ストックをどんどん作っていこうかと思います。

Writer

Osumi Akari